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さすがに5月に入る前にアップしたいと思っていました。やれやれ・・・
2月号の21首選です。 干草のかるさになりたる猫を抱きほしぐさ匂う野に返しゆく 池田幸子(月集)
「さうするしかないからさうする」石垣の石の継目がぢっと濡れゐる 久岡貴子(月集) 鶏を追ひこむやうな発声に行司が裁く序二段の相撲 清水弘子(作品1) 輪郭のぼんやりしている思考なり死後の私がつと入り来し 高畑かづ子(作品1) 死ぬことのほかはすべてがかすり傷ふつとわろうておうなの言ひぬ 工藤博子(作品1) あおによし奈良興福寺の参道に座る鹿あり歩む鹿あり 宮地しもん(作品1) 原宿のあたりにひとりはゐるやうな髪結ひてゐる制多迦童子 久川康子(作品2) ※せいたかどうじ (「た」は別の漢字でしたが出せませんでした。多が一般的だと思います。ご了承下さい。) どうしようもなくて泣きたい編みこんだ髪をほどいてわたしをほどく 希屋の浦(作品2) 花布の桃色やさし『花高野』虐殺の歌いくつかふくみ 寺田慧子(作品2) 五歳児のほんとの話はくるくると神話のごとき転調があり 竹田伊波礼(作品2) ひとりっ子の息子はノアの箱舟の一家の孤独を気遣っている 同上 あらすじをさしだすような握手だな 爪の形がもうすきだった 小松岬(作品2) 昼下がりの喫茶店にて聞きおれば今日は雨らしい明日も雨らしい 紫野春(作品2) ここにいる、ここにいるよと言いながらずい分遠くにいきたる娘 津田雅子(作品2) もしかして私の遺族となる人の忘れてしまった傘をさし 中村ユキ(作品2) 誰からも所有されてはおらぬ身を鎧うことなく 赤い曼珠沙華 山川仁帆(作品2) 愛したい気持ちが全部溢れ出てしまったようなアインシュタイン 田村穂隆(作品2) レトルトのカレーの封を切るときの互い違いになるあの感じだ 谷口美生(作品2) トラックに嫌がる豚を積み込めば冬立つ朝の牧場に雨 三木紀幸(若葉集) 人生をやり直したい日もあって公文教室看板の前 うにがわえりも(若葉集) 歌よみは亭主にしたくない男西行しかり啄木しかり 谷活恵(若葉集) #
by curtaincall31
| 2018-04-29 15:33
1月号の21首選です。
いつまでを生きるのだろう曇天の九回裏をうさぎがよぎる 上條節子(月集) 廃炉となる原子炉「もんじゅ」の道標は草いきれなる中に立ちをり 上田善朗(月集) 野菜スープ煮込みておれば雨の日のひとりの家が少しまとまる 江種泰榮(作品1) 五年分の記録映像見かえせばそのうち三人(みたり)この世におらず 宮地しもん(作品1) 縁側に日の脚は伸び笊の上の鷹の爪赤し銀杏白し 林田幸子(作品1) 真夜中の仕事もはじめ何時がいつで誰がだれだかときにうしなふ 千名民時(作品1) お茶の漏る茶碗が一つありまして私と一緒に無くなるでせう 佐近田榮懿子(作品1) しづけさは遠さ 日暮れの鳥たちの整ひきらぬほそき一列 佐藤陽介(作品1) 庭を訪う雉鳩二羽はまじめなり朝まく米を朝たべて鳴く 明石森太(作品2) 我が道は我が選択の上にあり旧姓かすれし登山靴磨く 松塚みぎわ(作品2) 乱されている心 朝の牛乳と夜更けの牛乳どちらが白い 春澄ちえ(作品2) 遠くへと出かける朝にあなたという錨をそっと心に下ろす 長月優(作品2) 幸せになっていいよと言われたい 傘をささずに肩は冷えゆく 田村穂隆(作品2) 世界中と闘いながら通勤するサラリーマンの寝癖が揺れて 山岸類子(作品2) 真昼間の日差し明るく数ミリの虫と虫とが交尾しており 川口秀晴(作品2) 灯り消し眼つむりて聞くラジオ山深き地の濃霧伝える 加茂直樹(作品2) 戦争はとっくに終わっているんだよ父さんにはまだ届きませんか 金原華恵子(作品2) 勝負のまへ土俵の下に胡坐くむ日馬富士をり暗い目をして 祐徳美恵子(作品2) 眠るのは死の練習と言っていた詩人もいたな おやすみなさい 田宮智美(作品2) 水筒のお茶泡立ちて日に温む 樹を見るために歩く山道 森尾みづな(若葉集) 脇役のように時々吾の出る兄がまとめた「自分史」を読む 松下英秋(若葉集) #
by curtaincall31
| 2018-02-26 01:06
| 塔
12月号は9月出詠なので、8月に行われた福島での全国大会の歌が多かったです。
こんなにたくさんの人が福島に行ったんだなぁ、ついでにいろんなところを自分の目で見てきたんだなぁと感慨深かったです。 では、20+1首選です。 幾万のねむりは我を過ぎゆきて いま過ぎたのは白舟のよう 吉川宏志(月集) 夏雲のひとつひとつの輪郭がきれいだ君が話を終えて 松村正直(月集) 秋蜘蛛が糸を遊ばす昼さがり わたしは昔たれであつたか 松木乃り(月集) あの世への橋渡りてもまだこの世 雨が止んだと君が呟く 黒沢梓(新樹集) 木のかをり漂いてをり椎茸を戻して森に帰すがごとし 炭陽子 (作品1) パイシートを麺棒で薄く伸ばしおり武器であるなら何を守るか 宮地しもん(作品1) 乗る人のなきぶらんこは降り続く秋の雨より真つ直ぐに垂る 加茂直樹(作品2) 停まるべき駅に停まることと仕事ばかりしている夏に何を得るのか 春澄ちえ(作品2) 窓硝子青く 今回の人生に飽きた 土鳩がすぐ近くで鳴く 森永理恵(作品2) 待合に座る者みな俯けり介錯に首さしだすごとく 垣野俊一郎(作品2) 科学とは嵩を正しく量ること毘沙門天の軍旗は靡く 近藤真啓(作品2) 手付かずの海をありったけ輝かせお前の夏の季語になりたい 田村穂隆(作品2) 横抱きに運びこまれしマネキンが女になりぬファーを巻かれて 森永絹子(作品2) 心臓に穴見つかりし友だちが「どうりでいつもさびしい」と言う 逢坂みずき(作品2) たいおんが私にはある 脱ぎをへてシャツを木製の肩にかへしぬ 小田桐夕(作品2) 離(さか)るるは裂かるることと思ひをり地球の裏へ向かふゲートに 古関すま子(作品2) 乾きたるいちじくの葉のいちまいがポットのなかでひろがる時間 山名聡美(作品2) 灯の灯ることなき家に雨がふるバリケード立つ向かうにこちらに 木村輝子(特別作品「富岡町夜ノ森」) 一歳になるまで二年かかればいい妻がつぶやく小さき手をとり 内海誠二(作品2) 傷つけず傷つかぬほどの歌つくり小鰯などは骨ごと食べる 一宮雅子(作品2) 捨ててきたはずの奄美の森の気がブラウスの中潜んでいたか 伊地知樹里(若葉集) #
by curtaincall31
| 2018-01-29 23:32
| 塔
ついに大晦日になってしまいました。遅ればせながら11月号です。
最後の歌の「最終兵器」の方が気になって仕方ありません。 ではみなさまどうぞ良いお年をお迎えください。 思い通りにならないことの多き世のされど小雨の琵琶湖をめぐる 松村正直(月集) 逝くときはひとりと思ふゆふまぐれ足首たてて電球かへる 落合けい子(月集) 白き紙舞い散らばうごと羽根かさね古墳をおおうひと群れの鳥 酒井万奈(月集) 誰ものらぬエレベーターの灯とか冷蔵庫の灯 泣くにちゃうどいい 久岡貴子(月集) 誕生日を祝ふメールの途絶えけり 母はゆつくり離りゆく舟 岡部かずみ(新樹集) わたしわるくないとおもって縁石を傘で叩いて歩いていたよ 上澄眠(風炎集) 両腕をあげて病む子は眠りをり赤子のときの姿勢のままに 野島光世(作品1) 親のない兄妹のやうな起き伏しのときをり下の名前で呼べり 久保茂樹(作品1) 永田町六番出口に機動隊の作りものめく装甲車両 宮地しもん(作品1) 稼ぎよき亭主のやうな顔をして猫の戻りく蝉をくはえて 青木朋子(作品1) ヒロシマに凌霄花いくつ咲くちちははのいない八月の朝 隈元三枝子(作品2) さわさわと畳の匂う2Kにスパイス炒めてカレーをつくる 小川ちとせ(作品2) 北見の空の雲のかたちを思ひつつ白花豆を水に漬けたり 竹尾由美子(作品2) 苦瓜の蠟を垂らしたような肌南の窓に大小下がる 西村清子(作品2) 墓碑銘の「人生悔いなし」「愛」「飛翔」生者に死とはいつもレプリカ 栗山洋子(作品2) 窓からは半島に立つ原発の存続の一基ふるさとの景 大谷静子(作品2) 休職の人の机のひきだしをあけてときどき消しごむ借りる 山名聡美(作品2) 息を吸ふことに似てゐる夕顔の一日はゆつくり襞を広げて 石松佳(作品2) また一つ鍵をかへしてこの国に浅く下ろした根を抜いてゆく 加茂直樹(作品2) 琵琶湖、と声に出すとき身のうちのなにがゆらぐの葦原のごと 中田明子(作品2) 職場での夫のあだ名をふと聞きぬ「最終兵器」と呼ばれてゐるらし 三好くに子(若葉集) #
by curtaincall31
| 2017-12-31 11:00
| 塔
遅くなりました。10月号です。
今月から21首選にしました。 自分の歌は開催国出場枠みたいなものなので。 死者が手を洗えるごとき水の音トンネルのなかに広がりゆきぬ 吉川宏志(月集) 一首一首に工夫がありてそれぞれに工夫の見えるところが若い 永田和宏(月集) すべておぼろにあれば心の安らけき庭の紫陽花重たげに咲く 進藤多紀(月集) 夕立ちの淫らな風のいくたびか役者を代えて信長は死ぬ 朝井さとる(作品1) 三半規管みだれてけさはものをこそ 壁の写真は東北の花 宮地しもん(作品1) 三方町の田の代掻きのはじまりぬ海沿ひに原発十四基あり 東郷悦子(作品1) 水たまりの雲を通過してまたもどる遊動円木くさりのにほひ 長谷部和子(作品1) コスモスの数より多く吹く風の昔誰かだった頃の記憶 小山美保子(作品2) 独りきり海の重さを受け止める鮟鱇はいる 今日も確かに 丘村奈央子(作品2) 上野発青森行の「ゆうづる」の姿はあらずホームは暗し 谷口公一(風炎集) 私ひとり付き添う時に母逝けりマリアの月にそっと静かに 水岩瞳(作品2) 桃色を食べてしまえば寂しさが残ってしまう三色団子 水野直美(作品2) 花束を解けば茎ばかりになって裸になるのは誰も淋しい 鈴木晴香(作品2) 革命歌スピーカーから高らかに流さる切り落とされし耳にも 加茂直樹(特別作品) 膝を折りあじさいの陰に泣く母を映画を見るように見ていき 相馬好子(作品2) ベランダに十九の蕾この夏に十九の花が開く幸せ 田宮智美(作品2) 加藤好子と彫られた地蔵の墓ひとつ姫あじさいが淡くつつんで 佐藤涼子(作品2) 娘の三年見守りくれしとあぢさゐの落馬地蔵を頭を垂れて過ぐ 山尾春美(作品2) 奔る瀬のゆるぶ辺に花桐が読書(よみかき)ダムを灯すようなり 加藤桂(作品2) 星野源帰りのバスで聴きながらわたしはまだ大丈夫と思う うにがわえりも(若葉集) 戻れない日々の雨音白加賀の深ききずあと大きめに削ぐ 神山倶生(若葉集) #
by curtaincall31
| 2017-11-25 17:33
| 塔
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