フォロー中のブログ
リンク
カテゴリ
以前の記事
2018年 04月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
塔の澤村斉美さんの第1歌集『夏鴉』の批評会が昨日行われた。100人を越す出席者のうち塔の人は約3分の1だった。塔以外の人の生の声が聞けるという機会は貴重であり、今回もとても有意義な時間だった。
まず私が第1印象で付箋を貼った歌。 逆光の鴉のからだがくつきりと見えた日、君を夏空と呼ぶ あの夏のわれの自画像きんいろをひとすぢ捌(は)きし鼻梁が光る 夏休暇 弟の背はもう伸びず薄き毛布の下に伏したり セロテープひらひらと指に泳がせて来るはずの人来るまで長し ミントガム切符のやうに渡されて手の暗がりに握るぎんいろ パン種のやうに眠れる弟にもたれて眠るわがかたち無く 喪主として立つ日のあらむ弟と一つの皿にいちごを分ける 日の当たる場所には鍋が伏せられて私がうづくまつてゐるやうだ おしまひに始まりの符を付すやうな抱擁のため腕は伸べらる いくつもの場所で生きたりいづれにも寡黙とされる私がゐる 性別の気配を消して接すればぎくしやくと人は離れてゆけり 耳の中に名前のための場所があり知らない海を一つ覚えき とれたぼたん拾はむと身を折りたれば草の雫に顔の近づく きゆつと啼くふうにも見えた あなたから未完の椅子を奪ひとるとき 全力を尽くさぬといふ選択肢 ああ、もう息が白くなるのだ よく食べる時期の蚕の色に似て吸殻ぽつりぽつりと歩道に by 澤村斉美 『夏鴉』 全体については誰かがレポートすると思うので、ここでは私が個人的に特に印象に残り、今後も引き続き考えていきたいと思った二点をとりあえず。 ひとつは「歌がうまい」ということ。ほとんどすべての人が、この「うまさ」から話を始めた。「不安を感じさせるほどうまい」「うまさのもっている陥穽」など「うまさ」のあわせもつ危うさを指摘する意見があった。一方「うまいだけで片付けず一首一首ていねいに読んでいかないともったいない」という声もあった。「うまい歌の意義ってなんだろう」と短歌の根源にかかわるような問題提起もあった。 ふたつめは、歌集を作るときの構成の理念のようなもの。パネルディスカッションの中では、澤村さんが歌集編成にあたって落とした歌の傾向や具体的な歌が紹介された。歌集作りの舞台裏をのぞかせてもらったようなものだが、非常におもしろいと思った。歌集を編むという行為の「再創作」、捨てることで得る、ということなどを考えさせられた。 パネラーは、山田富士郎さん(未来)、川野里子さん(かりん)、東直子さん(かばん)、斉藤齋藤さん(短歌人)で、司会は花山周子さん(塔)。
by curtaincall31
| 2009-03-22 11:23
| 歌集なっつ
|
ファン申請 |
||