子供らに護(まも)られてゐると疾(と)うのむかし感じしことをこの裕子さんも
by 河野裕子
この裕子さんというのは、作者のご子息NJさんのお奥さん。やはり塔の会員である。ふたりとも本名は「永田裕子」であるらしい。
護っているはずの子供たちに護られているという感じは、しばしば感じること。奇しくも同姓同名となった義理の娘さんの言葉に、はるか昔に自分も同じように感じていたと、デジャビュのように思い起こしている。ふたりの間でどんなことがきっかけでそんな話になったのか。
言い止(さ)しで終るのはよくないと歌会では言われるが、この場合は詠嘆として効いていると思う。