昨日の夜、山形の郷土料理(というほどでもないけど)、「だし」を作ろうと思って、庭に茗荷を取りに出た。
懐中電灯をつけて。ちょきんと。
茗荷の花は夜に咲くのか?
日当たりの悪い藪の根元に咲くので、夜も昼もないのだろうが。
月の光の下に、なんとも優美なかたちだ。
前日にかの枕辺で書きとりし茗荷の歌の数首がほどを
『湖をさがす』 永田淳 (8月11日の歌)
茗荷の花こんなにうすい花だつた月の光もひるんでしまふ
すうすうと四人の誰もが寒くなり茗荷の花の透くを回せり
死がそこに待つてゐるならもう少し茗荷の花も食べてよかつた
死は少し黄色い色をしてゐしか茗荷の花は白黒(モノクロ)であつた
『蝉声』 河野裕子
あの夏から3年がたった。